LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
 出来立ての湯気が、二人の期待を大きく膨らませていた。そしてついに買った焼きそばを一口食べると、深空の頬に喜びの笑顔が咲いた。

「やっぱ、屋台のはおいしいね」

 うなずく雄二。ふたりは、幸せそうにその焼きそばを頬張っていた。

「ヤだ、先生、口の端にソース付いてるよ」

 かばんからハンカチを出して、雄二の口元を拭いた。

「深空も、青海苔ついてる」

 彼も笑いながら深空の口元に触れようとした。

(あ… 今…)

「深空って、呼び捨てにした…」

 間近に迫る雄二の顔に、真顔で深空がつぶやく。

「あ…」

 後から気付く雄二に、深空はクスっと笑った。

 さっきの不穏な空気と違い、日だまりのような温かさが二人を包んでいた。

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