青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。
「お腹すいたねー」
食べ物を売ってる屋台はたくさんあって、あちこちから美味しそうないい匂いが漂ってくる。
すんすんと鼻を動かして、色んな食べ物を思い浮かべた。
「……あ」
ある屋台が目に止まる。
それに気づいた慎也が、足を止めてくれた。
「たこ焼き食べたい!」
嬉々として屋台を指差すあたしに、慎也はハハッと笑った。
予想しない時に笑われて、なんか恥ずかしくなってくる。
いや、慎也はいつもあたしに対して笑うタイミングが不明だけど。
「たこ焼き好きなの?」
「す…好きっていうか、今そういう気分なのっ。たこ焼き食べたい気分なの!」
「そっかぁ」
笑いながら背中を押されて、屋台の方へ歩かされる。
むっとしながら上を向くと、慎也の楽しそうな笑顔が見えて、ホッとした。
…もっと、笑って。
そんな風に、笑ってて。
「慎也は、なに食べるの」
まだ温かいたこ焼きのパックを片手に、慎也の後をついていく。
人も多くなってきて、辺りは一段と騒がしくなってきた。