神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
慌てるあたしの肩から、風牙くんが四郎くんの手を離させる。
二人ともすごい力が入っているようで、ぎしぎしと音がした。
「同意の上の行為じゃないだろう。
お前はただの親戚だ」
珍しく怒ったような風牙くんが、語気を荒げる。
「そうだそうだ!
あれは事故!ってゆーか、人工呼吸みたいなもんだ!
せっぷんって言うなっ」
「理由はどうであれ、口を寄せたことには変わりはあるまい」
「もー、やめてったら!」
何でそんな言い争いするの?
必死で止めると、森永さんはけらけらと笑っていた。
「いやー、面白いねカルテット漫才」
カルテット……四重奏?そんな漫才ある?
むしろ新喜劇??
森永さんは、どうやら本気で面白がってるみたい。
今までも話しかけてくれる女子はいたけれど、そのほとんどは派手グループの子だった。
そして彼女たちのお目当ては、周りのイケメンだったのである。
だけど森永さんは、そんな感じがしない。