神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


「あの……森永さんは、彼氏いるの?」


自分から話題をそらせるという意味でも、あたしは逆に森永さんに質問をしてみた。


すると、彼女は照れ臭そうに笑う。


「うん。
高校離れちゃったけど、中学から付き合っている子がいるよ」


「……やっぱり!」


だからこの周りの人たちに興味ないんだ!


くっそ~うらやましい~!


あこがれフレーズだよ、「中学から付き合ってる彼氏がいる」って。


森永さん、可愛いもん……彼氏の一人や二人、いるよね。


それからもどこの中学出身とか、部活はやらないのかとかたわいもない話をしていたら、チャイムが鳴ってしまった。


あたしたちは一緒に教室に戻る。


「ねえ、美心って呼んでいい?
私は奈々だよ」


教室に入る直前そう言われて、あたしの心はふわっと舞い上がった。


思い切りうなずくと、奈々ちゃんはまたにこりと笑った。


初めて、友達っぽい人ができた……!


にやけないように気をつけながら隣を見る。


すると四郎くんが、まるで「我のおかげだな」と言うように、優美に微笑んでいた。





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