神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「なんであのタイミングで、鬼なんか出るのかなぁぁぁ……」
深い深いため息が出る。
槙原くんは、あたしのことを気味悪いと思ったに違いない。
彼に見えないものから目が離せずに、おびえていたんだから……。
「あたしには恋なんか、ムリなのかなぁあああ……」
「何をひとりでぶつぶつ言っておるのだ?」
「きゃああああ!」
突然後ろから声をかけられて、飛び上がるくらい驚いた。
ソファからずり落ちそうになったあたしの横に、どすんと座ったのは……。
「これ、どうやって使うのだっけ」
腰にバスタオルを巻き、びちゃびちゃに濡れた手でドライヤーを持つ、四郎くんだった。
「ちょ、せめて体を拭いて何か着てきてよ!」
「ああ、でもこれが気になって。
気になったら、解決しないと気持ち悪いんだ」
「着てきたら教えてあげるから!」
あたしは彼を無理やり立たせ、背中を押して脱衣所に押し込めた。
はあ……なんでうちにいるのは、イケメンSPじゃないんだろう……。