神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
お兄ちゃんのジャージを着て、さっぱりした顔の四郎くん。
ドライヤーの使い方を教えると、温風と冷風を交互に出してはしゃいでいた。
「あはははは、これは快適。
我の神通力よりすごいではないか!」
さらっさらの黒髪が仕上がると、今度は冷蔵庫から勝手に牛乳を出して、パックごとぐびぐび。
ぷはー!って……もうそれ、あたし飲めないじゃん……。
「で、何を落ち込んでおるのだ?
ふーふーため息つきおって!」
「…………」
無神経なお父さんに話しかけられている気分……。
それでも一応報告をしたほうがいいかと思って、放課後の出来事をぽつぽつと、彼に説明した。
四郎くんはいつの間にかあたしの横に座りなおして、難しい顔をする。
「オロチの影響で、妖怪が力を持ってきたばかりでなく、お前を襲ってきたのだな」
「うん……」
「そうか、それは怖かったであろう。
よく立ち向かった」
四郎くんはよしよしと、あたしの頭をなでる。