神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「おい、なにをそんなに落ち込んでいる。
坊や自身が嘘を言ったわけではあるまい」
どうやら槙原くんの告白を全部聞いていたような四郎くんが、あたしの頭を軽くたたく。
「……そうだよね。
あんなのにダマされかけたあたしが悪いんだよね。
あたしのこと、誰かが好きになってくれるわけなかったんだ……」
霊感があって、いつもビクビクオドオドしていて。
臆病で、誰にも心を開けなくて。
そんなあたし、自分でも大嫌いだもん……。
「……まったくその通りだな。
そんなふうにいちいち落ち込んで、自己嫌悪に陥っているやつは、はっきり言ってめんどうくさい」
四郎くんが呆れたように言う。
さっきまで優しかったのに……本気でめんどうくさいんだね。
じわりと、涙がにじむ。
「ほら、顔を上げろ。
飯を食いに行くぞ。
腹がふくれれば、前向きになれるはずだ。
この世は食べ物がたくさんあって、良かったな」
またそれ……。