神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「じゃあ四郎くん、美心をお願いね」
まるで小さな子供扱いなあたしは、そうして家を出た。
あたりはまだ夕日が沈みかけていて、景色がオレンジ色に染まっている。
玄関前の階段を下りると、スサノオ兄弟が現れた。
雷牙はところどころやぶれたようなTシャツに、同じようなダメージ加工のデニム。
昔のバンドマンみたい。
風牙くんは、清潔感溢れるシャツに、普通のチノパン。
兄弟で顔はどことなく似てるのに、全然雰囲気の違う二人が、げっとイヤそうな顔をした。
「なんでお前まで浴衣なんだよ!」
「似合いすぎてて腹が立つな」
二人は四郎くんを指さす。
けれど、すぐに表情をゆるめた。
「それにしても、美心は可愛いな~」
「ああ、幼稚園の時から変わらずに可愛いな」
……雷牙はともかく、風牙くん?
暗に子供っぽいって言ってるんですか?
「たしかに制服のときよりは良いが、色気はまだ皆無だな」
あたしの心を読んだかのような四郎くんの一言が、胸に刺さる。