神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「さて、探すっつってもどうしたらいいのか……」
「もう少しで、神社から御輿が出るはずだ。
神事の最中はそちらには近づかないかと思われるから……
神社から一旦出て、付近を二手に別れて捜索するか」
と言った風牙くんが、さっとあたしの手をにぎる。
優しい顔に似合わない、竹刀だこができたゴツゴツした手。
一瞬ドキッとすると、すぐに雷牙が割り込んできた。
「とか言って、美心を独り占めする気かよっ!
兄貴、卑怯だぞ!」
もう一方の手を、雷牙に握られる。
2人は火花を散らしてにらみ合っていた。
……なんでこんなことに?
「あのー、みんなで行こうよ……本当にオロチ出たら怖いし……」
「いや、俺と行こう美心」
「俺とだっつーの!」
もー、四郎くんと二人になりたくないのはわかるけど、こんなところでケンカしなくてもいいじゃん。
「ここは公平に、ジャンケンで決めたらどうだ?」
割り込んできたのは、現代にきてはじめてジャンケンを覚えた四郎くんの声だった。