神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「なんでって……」
見上げた四郎くんは、少し乱れた前髪を直しながら、そっぽを向いてしまった。
そしてため息まじりに、ぼそりとつぶやく。
「わざわざそういうことを聞くから、子供だと言われるんだ」
「はい……?」
わけがわからず首を傾げると、四郎くんはあたしの前髪にも指をのばし、整えてくれた。
深いため息をつきながら。
「……こういう祭は初めてなんだ。
あいつらがいると、満喫させてもらえなさそうだから逃げた」
「そっかぁ、キリシタンの頭領が異教徒のお祭りに行くわけには行かないもんねぇ…って、満喫するつもりなの!?」
オロチ探しに来たんじゃないのー?
『我がお前の心配事をなくしてやる』とか、かっこいいセリフ吐いといて……口だけ?
「いいではないか。
楽しみながらオロチの気配を探すのだ」
そんなことできるの?
オロチが気配を消す名人だって言ったの、自分なのに……。
疑いの目で見つめるあたしの手を、彼はにぎりなおす。