神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「あのおじさんの後ろにいるクマのぬいぐるみだったらほしいかも」
いかにもいんちきしそうなおじさんの後ろに、『2等』と札をつけられた、人気のテーマパークでしか買えないはずのクマがいた。
もしかしたら偽物かもしれないけど、それくらいしか欲しいものがない。
1等のゲーム機とかもらっても使わないし……。
「クマを撃てばいいのか?」
四郎くんはいつの間にかお金を払い、銃を持っている。
「やだ、違うよ。
あの2等って書いてある、箱を落とすの」
1等のゲーム機と2等のクマは、小さなタバコの箱くらいの的が代わりに立っていた。
あーあ、あれはどこに当てても落とせないやつだよ……。
客寄せのための、ディスプレイみたいなもので、落ちないように置かれてるはず。
先に挑戦した勇敢な子供たちが惨敗するのを見ていたはずの四郎くんは、それでも銃を的に向かって構える。
「子供たちよ、種子島は片手で撃ってはならん」
四郎くんの横で、腕をいっぱいに伸ばし、できるだけ銃の先を景品に近づけようとしている子供たちの動きが止まる。
っていうか、だいたいの子供はそうすると思うんだけど。