神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「さて……そろそろ、行くか。
発情期兄弟が発狂してるかもしれんしな」
「あたしたちだけ、楽しんじゃったもんね」
巾着の中を探れば、スマホの着信ランプが光っている。
見るまでもなく、スサノオ兄弟からの着信だろう。
何度も何度も震えるスマホに、気づかなかったわけじゃない。
気づかないふりを、していたかったんだ。
いつの間にか、あたしも四郎くんと一緒に、この時間を楽しんでいたから。
だけどもう、お母さんに指定された門限が近づいている。
本来の目的は全然果たせてないし、このままじゃいけない。
そう思うのに、食べかけのリンゴ飴がいつまでたってもなくなりそうにない。
「……楽しかったな」
ぽつりと、低い声がこぼれた。
四郎くんはいつの間にか、あたしの横に座りなおしていた。
「うん……」
「……帰りたくないな」
「うん」
「やけに素直だな」
「うん……あっ、えっ」