神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
それは、島原の乱の最後のことを言っているんだろうか。
「本気で人間を苦しめることを生きがいにしてるのか?」
雷牙が問うと、オロチはその巨大な体を揺らし、低く笑う。
『それの何が悪い』
「悪いに決まってんだろ!
他に趣味見つけろよー」
雷牙……気持ちはわかるけど、その提案にはムリがあるんじゃ……?
「槙原に取り憑いていたのはお前か?」
今度は風牙くんが質問する。
『目だけ借りた。
わしを召喚した娘……つまりお前を探しておったのだ。
やはりうまそうな匂いがする』
「鬼を学校に招き入れたのも、お前か」
にらまれて震えるあたしを守るように、四郎くんがずいと前に出る。
『何の話だ』
オロチはそう返す。
四郎くんはこちらを見て、可哀想な子を見るような目で言った。
「美心、お前は相当いい匂いがするらしいな……」
「はぅ!」
「おそらくあの鬼は、オロチの妖気に影響されて暴走したんだ。
取り憑かれた友達も、そのままさらってどこかで食うつもりだったんだろうな」
風牙くんが冷静に分析。