神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


「……思わないね」


四郎くんはオロチの方に向き直り、言った。


『なに?』


「我自身の命をもって償おうなどと、一度でも思ったことはない。

あやつらは、我を利用したのだからな。

我を総大将にしておいて、実際の策略を立てたのは、元武士の浪人たちだ」


『……お前に罪はないと?』


「いるかどうかもわからない神を信じ、殉教したのだから彼らも満足だろう。

全ては彼らの自業自得。我は関係ない」


あっさりと言ってのけた四郎くんは、腰に手をあて、ふんぞりかえっていた。


その表情はオロチの揺さぶりに動揺することなく、ひょうひょうとしている。


関係ないって……本気でそう思ってるの?


四郎くんの言葉を聞いたオロチは舌をしまい、ずるりとあとずさった。


「ただ我は、お前のその根性が気に入らない。

だから農民たちと一緒に戦ったまで。

そして……」


四郎くんは杖をかまえなおす。


「この世界で、決着をつけてやる。

お前を消滅させるのが、我の望みだ」


< 227 / 379 >

この作品をシェア

pagetop