神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「……思わないね」
四郎くんはオロチの方に向き直り、言った。
『なに?』
「我自身の命をもって償おうなどと、一度でも思ったことはない。
あやつらは、我を利用したのだからな。
我を総大将にしておいて、実際の策略を立てたのは、元武士の浪人たちだ」
『……お前に罪はないと?』
「いるかどうかもわからない神を信じ、殉教したのだから彼らも満足だろう。
全ては彼らの自業自得。我は関係ない」
あっさりと言ってのけた四郎くんは、腰に手をあて、ふんぞりかえっていた。
その表情はオロチの揺さぶりに動揺することなく、ひょうひょうとしている。
関係ないって……本気でそう思ってるの?
四郎くんの言葉を聞いたオロチは舌をしまい、ずるりとあとずさった。
「ただ我は、お前のその根性が気に入らない。
だから農民たちと一緒に戦ったまで。
そして……」
四郎くんは杖をかまえなおす。
「この世界で、決着をつけてやる。
お前を消滅させるのが、我の望みだ」