神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


言うが早いか、四郎くんは杖を構え、オロチの方へと走り出す。


「マジかよ……っ!」


強大な敵を前に、恐れずに突っ走っていく四郎くんに驚きつつも、雷牙と風牙くんは援護しようとそれぞれの武器を構える。


「四郎くん……!」


彼は風のように走り、泥を跳ね上げながら空中へと跳躍した。


そしてオロチに向かい、杖を振り下ろす。


その瞬間、オロチの8つの口から、霧のようなものが吐き出された。


生臭いような匂いが鼻につく。


「なんて妖気……!」


霧はバリアのように、四郎くんの攻撃を受け止める。


拮抗した2つの力は、バリバリと凄まじい音を立てた。


杖から放たれる黄金の光が、放射状に散らされていく。


「雷牙!」

「おう!」


風牙くんの合図で、雷牙のギターがうなり、オロチの真上に雷鳴を呼ぶ。


清浄な風が音を立てて吹き、風牙くんの手から放たれたリングが、オロチの背後に回り込んだ。


< 228 / 379 >

この作品をシェア

pagetop