神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「ねえねえ天草くんと美心って、やっぱつきあってんじゃないの?」
こ、この子は……雷牙たちもいるのに!
っていうか、本人がいるのにっ!
「ち、違いますっ」
「でも、お祭りで一緒にいたのを見た子がいるよ?
すごくいい雰囲気だったって」
顔は奈々ちゃんを見たまま、視線だけスサノオ兄弟の方へ送ると……。
うわあ、怒ってる。
奥歯をかみしめて、ぎりぎりぎりぎり言ってるよ!
そりゃあそうだよね、あたしたちだけ遊んじゃったんだもん……。
「も、もうやめて奈々ちゃん」
「えー?いいじゃん、美心と恋バナできるの楽しみだったんだからさー」
「そ、それは今度、女子だけでしよっ!ねっ!」
なんとか追い払おうとすると、奈々ちゃんはちょうど友達に呼ばれ、穏便に去っていってくれた。
穏便でないのは、残されたあたしの心境。
一緒にいるのを見た?
すごくいい雰囲気だった?
ま、まさかあのキスを見られていたんじゃあ……。