神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
本人がいる前なのに、あの夜のことを思い出してしまう。
家にいるときだって、四郎くんが視界に入るたびに、ドキドキしてしまう。
そりゃあもう、心臓が壊れそうなくらい。なのに。
「さて、では行くか」
四郎くんは憎らしいくらいいつもと一緒で、さっと立ち上がってしまう。
そのまますたすたと、教室の方へ歩き始めてしまった。
「あ、待って」
お弁当を片付けようとすると、雷牙に止められた。
「まだ時間あるから、ゆっくり食べろよ。
お前、本気で最近痩せちまったぞ」
「えっ!うそ、ほんと?」
「喜ぶな」
風牙くんがぽんと、あたしの頭を優しくたたいた。
「あの祭りの夜に、何があったか聞く気はない。
聞きたくもない……」
「あう……ごめんね、勝手に離脱しちゃって」
「どうせあいつが食べ物につられて無理やり連れまわしたんだろ?」
雷牙が呆れた顔でため息をついた。
まあ、その通りって言えばその通りだけど……。