神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「お前は、本当にうまそうだ……」
オロチが、舌なめずりをした。
その舌先は割れておらず、槙原くんのものだったけど。
ぞくりと全身が粟立った。
「無垢なる娘よ」
彼はその手を、あたしに伸ばす。
「この欲にまみれた体で、お前を汚してやろう。
天草はどんな顔をするか……楽しみだ」
心底楽しんでいるといった顔で、オロチはあたしに近づく。
声も出なくて、あたしは夢中で立ち上がる。
逃げなきゃ。
机の間を走ろうとするのに、手首をおそろしいほどの力でつかまれる。
ぐん、と肩が抜かれるほどの勢いで引っ張られたと思うと、ひざが崩れた。
したたかに打ちつけた背中。
あっという間に両手をつかまれ、冷たい床に縫い付けられる。
「……いやっ、いやぁっ」
「なんと可愛い声だ……良いぞ、もっと鳴け」
「離して、お願い……!」
「もっと!」
オロチは槙原くんの姿のまま、あたしの夏服に手をかける。
必死でその腕をどけようとするけれど、震えてしまってまるで歯が立たない。