神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「……っ……?」
突然ぴたりと、オロチの手が止まった。
何が起きたのかと思い、固くつむっていた目を、おそるおそる開ける。
すると、目の前にあったのは……。
「あ……っ!」
オロチの首筋に当てられた、金色の光……。
「……立て、オロチ」
低い低い声がした。
オロチの肩越しに見えたのは、間違いなく。
血を吐くように、名前を叫んだひと……。
「立て!
美心から離れろ!」
金色の杖が、目の前でまぶしく発光した。
すると、体が急にふわりと軽くなった。
オロチはいったん姿を消したかと思うと、四郎くんの背後に現れる。
「四郎くんっ、後ろ!」
「ちっ!」
振り向きざま、杖を横に薙ぎ払う。
けれどオロチは、それを後ろに飛んでよけた。
「オロチィィィィっ!!」
四郎くんの絶叫で、教室の空気が震える。
渾身の力を込めて振り下ろされる杖。
オロチはそれを手から吐き出した霧でよけ、にやりと笑う。