神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


お姫様抱っこをされたあたしは、リビングへと連れ戻された。


四郎くんはあたしをソファへ優しく下ろすと、そっと抱きしめる。


「大丈夫だ。
お前はどこも、汚れていない」


「四郎くん……」


「忘れろ。全部、悪い夢だったんだ」


四郎くんはあたしの額にキスをした。


なんだか神様の洗礼を受けているような、不思議な気持ちになる。


むかむかとしていた胸はすっと落ち着いて、吐き気は引いていった。


「ありがとう……」


「風呂に入って来い。
悪いものを、全て洗い流せ」


「うん」


「心細いなら、一緒に行ってやるが?」


四郎くんはにやりと笑う。


「けっ、結構です!!」


あたしは慌てて浴室に駆け込み、カギをかけた。


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