神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


ベッドに座っていたあたしは、そこから落ちるくらいすみに逃げる。


「……なぜ逃げる」


「だ、だって」


「何もしないから、ここにいさせてくれ」


よく見れば四郎くんはお兄ちゃんのTシャツとジャージ姿で(やっぱり激しく似合わない)、自分のタオルケットを小脇に抱えていた。


そしてベッド脇に座ると、ぽんぽんと布団をたたく。


「寝ないのか?ゲームでもするか?」


「いえ……疲れたので、寝ますけど」


「ならば、横になれ」


……いったい何のつもりだろう。


警戒しながら横になり、布団をかぶろうとすると……。


「こいつも入れてやるか」


あたしの顔の横に、クマがぎゅむっと押し込められた。


「よし、寝ろ!」


四郎くんはリモコンで電気を消す。


途端にどくどくと暴れだす心臓。


……どうしよう。


好きなひとと、こんなところで二人きりだなんて。


べ、べつに何か期待してるわけじゃないけど!


何も期待するもんですか。


あんなことがあった直後に……。



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