神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「お前から誘ってくるとはな。
何をされても文句言えないな」
四郎くんがいつもみたいに意地悪に笑いながら、隣に寝転んでひじをつき、その形のいいアゴを支えた。
「……何もしないくせに」
本当にあたしが嫌がることは、しないでしょ?
「してほしければ、遠慮なく言え」
四郎くんはあたしの額を小突くと、そろりと長い腕を伸ばす。
片手で抱き寄せるようにぎゅっとされると、眉毛に四郎くんの鎖骨が当たった。
洗い立ての髪から、自分と同じシャンプーの香りがふわりと漂った。
「いいにおい」
Tシャツからは、柔軟剤のカモミールの香り。
「それはいいが……やはり狭くないか?」
「たしかに……」
あたしのシングルベッドに、二人は狭い。
「もう少し大きくないと、色々と不都合だな」
「色々?」
「……一緒に寝られないってことだ」
四郎くんはそう言うと、掛け布団をつかむ。
そしてふわりと、それをあたしたちの頭からかけた。