神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
暗い視界が余計に暗くなる。
何をするつもり?
どきりとして四郎くんから離れようとすると、温かい風が布団の中を吹き抜けた。
「なっ……」
なんで?
窓を閉めて布団をかぶっていたはずなのに、体の周りを風がそよそよと吹き抜ける。
やがてふわふわとした布団の感触がなくなり、背中にちくちくとした別の感覚が生まれた。
そして、まばたきをすると……。
「わぁ……!」
布団で覆われていたはずの視界が、突然開けた。
目の前に広がるのは、晴れた穏やかな夜空と、満天の星……。
丸い月がぽっかり浮かんで、あたしを照らしていた。
「これ……」
「簡単な幻だが、なかなか良いだろ?」
体を起こす。
下にあるのは、草原だった。
月に照らされ、小さな紫色の花がちらほら咲いているのが見える。
「きれい……」
夜空を見上げると、ふわりと背中から温かみを感じる。
優しく腕を回す四郎くんは、あたしを包むように座った。