神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


「少年は最初こそ戸惑いましたが、だんだんと、苦痛を忘れていきました」


「…………」


「どんな理由であれ、異人のような容姿と奇妙な力を持った自分を、周りが必要としてくれたから。

いくら踏みにじられても懸命に生きる彼らを救えるのなら、と少年は力を尽くしました」


四郎くんは続ける。


彼はミサを執り行い、農民たちに洗礼名を与えたり、不思議な力で奇跡と呼べる現象を見せたりして、農民たちを喜ばせた。


そして、ついに火ぶたが落とされた島原の乱で、共に戦うことに。


その中でキリシタンによる異教徒への暴力を知るが、それは島原の乱最後の舞台、原城に移ってからだった。


原城に立てこもった一揆軍は、兵糧攻めにされた。


「兵糧はすぐに底をつき、農民たちは危険を冒して城から出て、すぐそばにあった海から藻や魚を取ってきてくれました。

幕府軍の総攻撃まで、それでなんとか生き延びたのです」


食料も火薬も底をつき、目の前の海からは幕府に味方した外国の軍艦の砲撃が始まった。


そしてついに、幕府の総攻撃が始まる。


< 283 / 379 >

この作品をシェア

pagetop