神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


「お前が召喚してくれて、良かった」


「あたしが……?」


「楽しかった。
うまいものをたくさん食べられたし、くだらない喧嘩をする相手もできて」


それは、スサノオ兄弟のこと?


そういえば、彼らと接している四郎くんは、なんとなく楽しそうだった。


「我は初めて……ただの人として、生きることができた」


四郎くんはあたしの目を見て、微かに微笑む。


その目がなぜか寂しそうで、あたしの中に小さな不安が産まれた。


「ありがとう、美心」


やめて。


そんなふうに、全部過去形にしないで。


まだ、一緒にいるのに……。


「どこにも行かないで」


四郎くんのそでをつかむ。


今にもすり抜けていってしまいそうな彼を、必死でたぐりよせる。


「もっと一緒にいろんなところに行こう。

いろんなものを見て、おいしいものをいっぱい食べよう。

太るのなんか気にしないから」


「ああ……」


「あたしにできることなら、何でもするから。

ここで一緒に生きよう、四郎くん」


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