神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「四郎くん……」
彼の背中に手をまわす。
だって、こんなに急に離れることになるなんて思わなかったから。
たとえすぐに絶えてしまうとしても、1分でも1秒でも、一緒にいたいよ。
だけどあなたは、そんなこと望んでいないんだね。
「あい……してる、美心」
彼は血に濡れた唇を手でぬぐうと、あたしの額にキスをした。
「愛してる」
ぎゅっと抱きしめられ、胸がつぶれそうになった。
どうして。
どうして、こんなことに。
ああ、あたしがもっと強かったなら。
そうしたら、もう少し一緒にいられた?
「お前が、言ったとおり……今なら、神を信じてやってもいいかもしれん。
まさか、お前のような……愛しい存在が、生きている間にできるとは、思わなかった。
神は我のような者にも、素晴らしい贈り物をくれた」
素晴らしくなんかないよ。
結局あたしは、あなたを守れなかったんだから。
ただのへたれな、普通の女子高生だよ。