神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「馬鹿者め……」
天国なぞ、本当にあると思うのか。
デウスなぞ、本当に存在すると思うのか。
そんなものがいるのであれば、なぜお前たちをを救いにこない。
なぜ、純粋で素朴なお前たちに、このような試練を与えるのだ。
試練を与えられるべきは、権力をかさに着て、私利私欲をむさぼる者たちではないのか。
美心には信じてもいいと言ったが、やはり、デウスなど、どこにもいないのではないか。
「……さっきの歌を、歌ってくれないか」
まだ息のある者たちに話しかけると、彼女たちは咳き込みながら、歌を口ずさんだ。
デウスを称える、愚かな歌だ。
なあ。
お前たちがこの我を、最後まで神の御使いとして信じてくれるのなら。
必要としてくれるのなら。
我は、最後までその役を演じ切ろう。
たとえ、道化と言われようと。
最後の、最後まで……。