神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「…ということは、美心が見た、あんたと一緒に空から落ちてきたというのは……」
風牙くんが厳しい表情でたずねる。
すると天草さんは、ひょうひょうと答えた。
「無論、オロチだ」
って……。
あの、後から落ちてきたヘビみたいなアレが、ヤマタノオロチってこと~!?
たしかに大きかったよ。しっぽがたくさんあったよ。
だけど、そんなすごい妖怪だったなんて……。
「美心、なんてもんを召喚してくれたんだよ……」
雷牙が、あたしをにらむ。
「そんなこと言ったってぇ……」
妖怪を召喚するつもりなんか、これっぽっちもなかったんだもん。
「オロチは我が傷を負わせた。
しばらくは動けぬだろう」
天草さんのその言葉に、少しだけホッとする。
「でも……ほんとすみません。
いきなり召喚しちゃって……」
これからどうすればいいのか、見当もつかない。
だけど天草さんは、それほど困ったふうでもなさそう。