神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
槙原くんの話を聞いていると、胸が重たくなってきた。
あたしたちとそう歳の変わらない男の子が、農民一揆の総大将だなんて……。
「でも、僕が読んだのはフィクションだからね。
本当にハーフだったかどうかは、誰にもわからないよ。
彼が総大将になってしまった理由もね」
槙原くんがそこまで言うと、朝のHRの始まりを告げる鐘が鳴った。
彼はにこりと笑い、自分の席に戻っていく。
雷牙は難しい顔で何かを考えているみたい。
教室に入ってきた先生に注意されて、ようやく彼は席についた。
……その後の授業は、あまり手につかなかった。
家にいる天草さんがどうしているか気になったし、彼のことを思うと、さっきの槙原くんとの会話の内容を考えてしまう。
天草さんは、あの見た目からして、たぶん純日本人じゃない。
本当に宣教師かはわからないけど、外国の人の血が混ざっているんだろう。
それより気になるのは……
10代の彼が、なんで総大将になってしまったのかということだった。
天草さんは、本当にそんなことをやりたかったのかな……。