神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「ハーフ?ああ……なんかそんなような小説、読んだような気がするな。
実は父親が宣教師だったとかね」
「宣教師って、ザビエル?
あのびらびらのエリつけてる……」
「ええと……神崎さん、残念だけどザビエルはあのエリ、つけてないよ。
宣教師といえばあのエリを思い浮かべちゃうけど、ザビエルの肖像画には描かれてない」
えっ!?うそ!?
変なつけエリ=宣教師=ザビエル
だと思ってたのは、あたしの思い込みだったんだ。
勇気を出して話しかけたのに、恥をさらしただけだった……。
余計にうつむくと、雷牙が槙原くんに話しかける。
「父親が宣教師って?」
「ああ……あくまでフィクションの話だよ。
父親が宣教師だったから、彼はポルトガル語が読めたとか、青い目を持っていたとか」
「青い目……」
「10代の若すぎる彼が、いきなり一揆の総大将になったのは、それなりのカリスマ性があったんじゃないかな。
もし本当にハーフだったら、その見た目だけで、農民たちをまとめるにはじゅうぶんだったのかもね」