神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
彼の杖に、刀がぶつかる。
ぎいいんと、鋼がぶつかりあうような音が、あたりに響いた。
「妖怪よ……消え失せるが良い!」
地鳴りみたいな大声がし、漆黒の髪が揺れる。
四郎くんは刀をはねかえすと、杖をふりかざす。
その先で刀を突きさすように振り下ろすと、それはタヌキの体に戻った。
「地に還れ!」
ブルーの瞳が輝く。
杖はそのまま、タヌキの体を貫き通す。
うわ、3人とも軽々と敵を倒しちゃった……。
地面に倒れたタヌキたちの体は土気色になったと思うと、まるで何百年も風にさらされた石のように、さらさらと砂になって崩れた。
「みんな、大丈夫?」
おそるおそる近づくと、みんなの武器はすっと消えてしまった。
黒い雲は、白い雲に変わって空を流れていく。
「ああ、ヨユーヨユー。
ありゃあドラ○エでいうと、スラ○ムみたいなもんだな」
雷牙が言う。
それって、かなり初歩の敵じゃない?
そんなふうには見えなかったよ……。