神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


どうするべきか3人が議論している間、あたしはその血の跡を凝視する。


すると、昨日の四郎くんのお腹の傷にはりついていたような、黒い妖気がほんの一瞬だけど、見えた気がした。


昨日みたいに、消しちゃえないかな?


「燃やすしかないか」


「ちょっと待てよ!
お前放火する気か!?」


四郎くんと雷牙の言い合いを聞きながら、あたしは自分の手のひらをじっと見る。


集中すると、そこに全身の力が集まっていくのを感じた。


その気はオーロラのようになり、オロチの黒い残留気に覆いかぶさっていく。


「美心……何してる?」


風牙くんが、あたしのことに気づく。


オロチの気なんか、消えちゃえ。


そう思うと、手から膨大な量のオーロラが放出されていく。


「あ、あれっ?」


思ったよりも、広範囲にオーロラは広がっていき、それにともなって体の力が抜けていくみたい。


「ちょ、ムリだって!美心、やめろ!」


雷牙が叫ぶけど、どうやってやめたらいいのか、わからない。


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