神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
昨日の黒ミミズと同じように、あたしの気はオロチの気を溶かし、白い雲のように膨れ上がる。
昨日と違うのは、雲は崩れた教会を覆うくらい、広範囲だってこと。
その雲はもくもくと膨れ……。
──パシュッ!
針で刺された風船のように、めくれあがりながら消えていった。
「き、消えた~」
安心すると、自分が四郎くんに抱えられていたことに気づく。
「あ、わぁっ」
背後に静かな息遣いを感じ、あたしは慌てて指をほどき、その場からちょっと逃げた。
必死だったとはいえ、なんて恥ずかしい体勢だったの!
「おい、ムリすんなよ」
雷牙がまたこけそうになったあたしの腕をつかみ、支えた。
「どうしていきなり、こんな無茶をする」
風牙くんが、怒ったような顔で聞いてくる。
「どうしてって言われても……なんか、できそうかなって思って」
力の抜けた体は、まるで高熱にかかった人みたいに、力が入らない。