神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~


「ん?こいつは何の訓練もなく、浄化能力を発動させたのか?」


四郎くんが風牙くんに問う。


浄化能力って?

今みたいに、悪いものを消しちゃう能力のことかな?


「ああ……本人も昨日初めて、自分の意志で浄化を行ったばかりだ。

今のような大がかりな浄化は、ひとりじゃ危険だ。

あんたがいてくれて助かった」


風牙くんは質問に答え、素直にお礼を言った。


「あ、ありがとう四郎くん」


あたしも遅ればせながら、彼に頭を下げる。


「……どうにも無防備だと思ったんだ。

お前は強い気の気配を、体中から垂れ流してる。

浄化能力は大したものだが、今のままではたしかに危険だ」


「た、垂れ流し?」


「気づいていないのか。

お前は、なんだかうまそうなにおいを、体中から発しているんだ。

だからいいものも悪いものも、虫のように小さなものから、オロチのように強大なものまで、なんでも引き寄せてしまう」


< 83 / 379 >

この作品をシェア

pagetop