神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
「ん?こいつは何の訓練もなく、浄化能力を発動させたのか?」
四郎くんが風牙くんに問う。
浄化能力って?
今みたいに、悪いものを消しちゃう能力のことかな?
「ああ……本人も昨日初めて、自分の意志で浄化を行ったばかりだ。
今のような大がかりな浄化は、ひとりじゃ危険だ。
あんたがいてくれて助かった」
風牙くんは質問に答え、素直にお礼を言った。
「あ、ありがとう四郎くん」
あたしも遅ればせながら、彼に頭を下げる。
「……どうにも無防備だと思ったんだ。
お前は強い気の気配を、体中から垂れ流してる。
浄化能力は大したものだが、今のままではたしかに危険だ」
「た、垂れ流し?」
「気づいていないのか。
お前は、なんだかうまそうなにおいを、体中から発しているんだ。
だからいいものも悪いものも、虫のように小さなものから、オロチのように強大なものまで、なんでも引き寄せてしまう」