神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
四郎くんは淡々と説明し、スサノオ兄弟は「そうなんだよなー」とあいづちをうってる。
ちょ……うまそうなにおいって。
「美心がショックを受けると思って、なかなか言えなかった」
風牙くんが、気遣いを見せながら、ひどいことを。
「うまそうって、うまそうって……つまりはおでぶってこと!?」
たしかにあたしはチョコやお菓子を常備してるけど、それは小さいおっさんたちと対話するための道具であって。
たくさん食べて、ぽっちゃりしてるかもしれないけど、それは憑依のせいだし。
あたしのせいじゃないのに~!
運動不足な点は棚に上げておいて、こぶしをにぎりしめてぷるぷる震えた。
本当のことかもしれないけど、女の子に向かってうまそうとか、言っちゃダメでしょ!
たとえ思ってても、口に出さないでほしい!
そんな悲痛な胸の叫びを察したのか、四郎くんは呆れた顔であたしを見下ろす。
「さっきも言ったが、お前は太ってはおらぬ。
霊や妖怪は、人間の肉体よりも魂のにおいに敏感なんだ。
つまりは、お前の……おそらく生まれつきの強い浄化能力のにおいが、様々なものを引き寄せてしまっているんだろう」