神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
生まれつきの浄化能力……。
そんなものが、本当にあるのかな。
「俺たちは小さいころから気づいてたんだけど、そんなこと言っても信じられないだろうし、特殊な力なんかない方が幸せだと思ってたから、言えなかった」
雷牙が言う。
なかなか言えなかったって、そういう意味でだったんだ。
「気づいていたところで、俺たちにはその力をなくしてやることも、制御してやることもできないからな」
残念そうに言う風牙くんを、四郎くんが鼻で笑った。
「なんだお前ら、スサノオの血を引くとか言っておいて、戦闘以外は何もできないのか。役立たずめ」
「な、なんだと……!
お前、性格悪いぞ!」
「雷牙、相手にするな。
俺たちの力不足は本当だ」
兄に止められて、雷牙は不満そうに舌打ちした。
「四郎くん、そんなこと言わなくてもいいじゃない……」
雷牙が怒るのも無理ないよ。
そんなふうに、人を馬鹿にするような言い方は良くない。
「……なに?」
「あの、だから……二人は役立たずじゃないもん。
今だって、一緒に戦ってくれ……」