神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~
言いかけたところで、声が出なくなっちゃった。
四郎くんのブルーの目が、じいっとこちらを見つめたから。
もうその先は言わなくてもいいと言うように。
「……気にいらんな」
「な、なにが……?」
「この役立たず兄弟より、我を尊重しろ」
四郎くんが、長い足であたしとの距離を一瞬でつめる。
「お前、なに……」
雷牙が後ろから言うけど、四郎くんはそっちに耳を傾ける気はないみたい。
あたしはそんな彼にじっと見つめられて、動けなくなってしまった。
「我ならば、お前の力をうまく制御できる。
我にひれ伏し、我のために仕えるがいい」
ひれ伏し、仕える?
なにそれ、あたしに四郎くんのパシリになれってこと?
「……いや」
「なんだと?」
「さっきから思ってたけど、四郎くんちょっと、自己中だよ。
自己中ってわかる?自己中心的、つまりわがままな人。
天草では神の使いか、一揆の総大将だったのかなにかしらないけど、隠れキリシタンじゃないあたしには関係ないんだから」