イジワルなキミの隣で
ちゃんとしなきゃ、ちゃんと。
ちゃんと……。
そう思うのに、頭と心は裏腹で。
気になって気になって仕方ない。
「萌絵ちゃんごめんね、航希君今接客中で……ホットケーキのバターが溶けちゃわない内にこれを10番にお願いしていい?」
「えっ……あ、は、はい」
10番テーブルは光流先輩と智沙先輩の座っているテーブル。
ど、どうしよう……。
当たり前だけど、嫌とは言えなかった。
佐伯先輩はまだ注文を取ってて、常連のお客さんだからか話が弾んで戻って来れる状況じゃない。