イジワルなキミの隣で


バイトが終わってコンビニ前までダッシュで向かった。


意外とお客さんが多くて7時ちょうどに上がれなかったんだ。



「す、すみません、遅れてしまいました」



「お疲れ。ま、座れよ」



駐車止めのブロックの上に座っていた光流先輩は、肩で息をする私の顔を見上げて横の空いたブロックを顎で指した。



ゆっくりそこに腰を下ろす。



独特の空気感に緊張が高まる。



光流先輩と2人きりだなんて初めてで緊張する。



真剣な横顔を見て、これから何を言われるのかは大体わかった。



「俺さ」



シーンとした空気を破って話し始める先輩。


目は、合わなかった。


合わせてくれなかった。



「物心ついた頃から智沙のことが好きで」



ドクンと胸が痛む。


光流先輩の想いを聞きたくない。


でも


どうすることも出来ない。


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