イジワルなキミの隣で
「けど、あいつにはずっと好きな奴がいた」
頷くことも横顔を見ていることも出来なくてアスファルトを見つめる。
「それでも全然諦めきれなくて、振られて落ち込む智沙につけ込んで言い寄ったんだ。俺、服部が思ってるほど全然いい奴じゃないし、智沙以外の女なんてマジで興味ねえ」
…………
「……先輩見てたらわかりますよ、それは」
智沙先輩といる時の光流先輩は本当に幸せそうで。
大好きなんだろうなって
見てると誰でもわかる。
「それでも好きなんです……諦められないんです。バカですよね。でも……先輩なら私の気持ちわかってくれますよね?」
「わかるけど、俺が服部とどうこうなるとかは絶対にありえねえ。俺が幸せにしたいと思える女は智沙だけだし」
「…………」