イジワルなキミの隣で
大丈夫。
いつものようにやるだけ。
教室のドアに手をかけ息を整える。
はぁはぁと呼吸が乱れる中でも、心臓の音だけはやけに大きく響いていた。
大丈夫、私なら出来る。
そう言い聞かせて
手にグッと力を込めてドアを開けた。
ガラッ
げげっ。
オニセン!!
しまった、オニセンの授業だったの?
チョークを手にして黒板に向かっていたオニセンは、ビックリしたように私を見て呆然としている。
もちろんオニセンだけじゃない。
「あ、えっと。すみません!用件があって来ました!失礼します」
ぺこりと頭を下げて教室の中に入る。
「えっ?1年でしょ?なになに?」
「授業妨害?」
「あの子知ってる〜!」
次第にざわつき始める教室内。
佐伯先輩はそんな中、騒ぎに気付かず机に突っ伏して寝ていた。