イジワルなキミの隣で


大丈夫。

いつものようにやるだけ。



教室のドアに手をかけ息を整える。



はぁはぁと呼吸が乱れる中でも、心臓の音だけはやけに大きく響いていた。


大丈夫、私なら出来る。



そう言い聞かせて


手にグッと力を込めてドアを開けた。



ガラッ



げげっ。


オニセン!!


しまった、オニセンの授業だったの?


チョークを手にして黒板に向かっていたオニセンは、ビックリしたように私を見て呆然としている。



もちろんオニセンだけじゃない。



「あ、えっと。すみません!用件があって来ました!失礼します」



ぺこりと頭を下げて教室の中に入る。



「えっ?1年でしょ?なになに?」



「授業妨害?」



「あの子知ってる〜!」



次第にざわつき始める教室内。



佐伯先輩はそんな中、騒ぎに気付かず机に突っ伏して寝ていた。


< 404 / 420 >

この作品をシェア

pagetop