腕枕で朝寝坊
その7*甘口煩悩
*朝寝坊その7*
甘口煩悩
~美織編~
※本編4章でさらりとしか触れてなかった
紗和己と美織が初めて迎える年越しのお話。
色々なことがあった12月も残すはあと1日となって。
世の中は今さら時の流れの速さに驚いてみたり、残り僅かな今年に来年の準備を詰め込もうとしたり様々だ。
そんな私も、朝からバタバタとお節作りに勤しんでいたりする。
「お母さんっ、黒豆ってもう出来てるの?」
「大丈夫よ、ちゃんと出来てるわよ。それより美織、部屋の掃除は終わってるの?」
「まあまあ大丈夫、まあまあ。ねえ、きんとんの裏ごしするの手伝ってよー」
「ちょっと、栗ぜんぶ持ってっちゃったらお父さん泣くわよ!」
あっちへドタドタ。こっちへバタバタ。
我が家のキッチンは実に年の瀬らしく慌ただしい。