腕枕で朝寝坊



だってだって。今夜はお節を持って紗和己さんのマンションへお泊まりなんだもの。



さすがの紗和己さんも元旦はお休み。【pauze】も大晦日はいつもより早い18時閉店。


やっとやっと、久しぶりにふたりでゆっくり過ごせると思うと、私はもう朝からワクワクが止まらない。ドキドキも止まらない。



せっかくのふたり初めての年越し。初日の出を見に行こうか、それとも除夜の鐘でも突きに行こうか。

どんな風に過ごそうか色々迷ったけど、きっとお疲れの紗和己さんの事を考えて大晦日はマンションでのんびり過ごし、翌日は近所の神社に初詣に行くことに決めた。



そして、ふたりで元旦の日に食べようと私はお母さんを巻き込みつつ張り切ってお節を作ってたりするわけで。


「よし、いい感じいい感じ」


ふたりで食べるのに丁度いいこぢんまりとしたお重に、出来た料理を綺麗に詰め、ついでにお歳暮でもらった蟹もコッソリ保冷バッグに入れておく。これは今夜の鍋の分。



準備万端の私を紗和己さんが迎えに来たのは夜の7時になる頃だった。





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