甘いカンケイ



頑張って、ってなにを頑張ればいいのよ?


どうしよう。この状況。

香織とノリくんはイチャイチャしながらふたりで歌う曲選んでるし…。


残されたあたしと浅井さんでなにを話せばいいんだろう…?



「あの…浅井さんはノリくんと同じ会社なんですか?」


このまま喋らないわけにもいかないし、せっかくまた会えたんだからと思って勇気を出すあたし。


「うん。企画部の同期でね、あいつ休憩中でも香織ちゃんのことばっかりでさ。毎日ノロケられるこっちの身にもなってほしいよ」


あはは。ノリくんもそうなんだ。香織も休み時間になるとノリくんとのデートのことやらなんやらでノロケまくりだもんなあ。


「美和ちゃんは…」


不意にあたしの名前を呼んだ浅井さんを見るとなにか言いにくそうな顔であたしを見てる。


「未成年の子と社会人が付き合うのって、どう思う?」


そう言われてあたしは幸せそうに微笑みながら歌ってる香織とノリくんを見つめる。


「未成年と社会人の交際って犯罪とかってよく聞きますけど、あたしは本人が幸せで愛し合ってるなら年の差なんて関係ないと思います。周りにどう思われても、言われても。」


素直に出た言葉だった。


香織とノリくんを見てると、羨ましいくらいにほんとに幸せそうで。

そんなふたりを見てたらイケナイことなんてないような気がして。


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