甘いカンケイ
「うわ~。これが浅井さんの車ですか?」
車には疎くてなんていう車種なのかはちんぷんかんぷんだけど黒でピカピカな新車だってことは分かった。
「給料貯めて新車にしたんだ。自分へのご褒美ってやつかな」
「凄いなあ…。あたしだったら、自分へのご褒美にデザートとかパフェ食べたりするだけなのに」
自分へのご褒美が車って、やっぱり大人だわ。
なんか発想からして洗練されてる感じがする。
「でも、ご褒美で車と甘いものって比べちゃダメですね。やっぱりそこが女子高生と大人の違い…って……浅井さん?」
隣にいる浅井さんを見ると肩を震わせて笑いを堪えてるよう。
「どうしました?あたしなにか変なこと言っちゃいました?」
「いや、初めてだからさ。甘いものと車を比べられたの。はぁ…ほんとかわいいよ、美和ちゃん」
なんかバカにされてるような気がしなくもないんだけど…。
だけど浅井さんが目を細めて笑ってる姿を見ると、どんなことであれあたしも嬉しくなって、まあいっか。ってなっちゃう。