甘いカンケイ



びっくりし過ぎて声が出ない。

浅井さんに抱きしめられてる。って頭が認識した瞬間にあたしの顔は真っ赤に染まる。


お互い無言で、なにも喋らない。


車の中は静寂に包まれていて、いつもより早く鳴る心臓の鼓動が浅井さんに気付かれてしまいそうだ。


「…このまま、聞いてくれる?」


何分経っただろう。口を開いた浅井さんはなにかを決意したような声で……。

あたしはコクンと頷いた。


「ノリが香織ちゃんと付き合い始めた頃。ノリに香織ちゃんの写メ見せてって言ったんだ。…その頃はまだノリとのツーショットがなかったみたいで。香織ちゃんがノリに親友と写ってる写メを送ってくれたんだ。」

「………」

「俺、それ見て……一緒に写ってた美和ちゃんに一目惚れした。」

「…っ!?」


浅井さんが、あたしに!?


思わず浅井さんの顔を見ようと体を離そうとすると、まだそのままでいてというように力強く抱きしめられる。


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