璃琥―riko―
「元々は、夜來が悪んだよっ!」

痛くて涙目になった目で夜來を睨む。うーちゃんもそうだと頷く。
だってさ、夜來があんな変な事を真面目~な顔して言わなければ……
そんな意味を込めて恨みがましく睨んでいると、流石の夜來も悪く思ったのか申し訳無さそうな顔をした。

「いや……言いたかったのは別の事なんだよ……さっきのは冗談…じゃなくて本当の事だけどさ。頭のなかで考えていたことがポロッ☆と出てきただけたなんだよ。まぁ、ややちゃんにするけどさ。」

そっかぁ別の事かぁ……
って、おおおおぉぉぉぉい!!!
なんだよポロッ☆って!!
しかも今時の大人が☆って!!
しかもしかも、何で選択肢になかった“ややちゃん“っていう子になるの!?
そこドヤ顔する所じゃないからね!?
うーちゃんなんか顔が死神見たくなっているからね!?
夜來、頭大丈夫なの!?

「うーちゃんっ!!救急車を呼ばないといけないよぉぉぉぉ!!今、夜來の頭のなかにはPM2.5という病気が侵略している!!そんな夜來を助けるのは誰だ!?私しかいないのだよ!!!救急車は……110!?それとも140!?早くしないと手遅れになってしまう!!!」

大変だ!!
夜來は病気なのだよ!!
なんて言いながら携帯を探す愛。
肩を震わせていてうつむいていた雨來が
ばっと顔をあげる。

「それはヤバいぞ!!!!救急車の番号は違うよ!!130……あれ?120な……まぁ、いいっ!!俺たちで夜來を助けるぞ!!」

「はいいぃぃぃ!!!うーちゃん!!」

二人でガシッと手を握りしめる。
その時……すぐ隣で黒黒・ブラックオーラがでているのは気のせい…ではないのだろう。








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