ラストバージン
「私も悪かったの、矢田さんの休憩中に注意しちゃったから……。ごめんね、矢田さん。休憩が終わったら私が指導するから、後で私のところに来てね」
矢田さんに笑顔を向け、同僚を休憩室と繋がっている仮眠室へと促す。
「……あの子を庇う必要なんてないと思うんだけど」
「うん、そうかもしれない。でも、新人だからもう少しだけ様子を見たいの。それでも目に余るようなら、師長に相談してみるから」
声のトーンを落としつつ、眉を寄せて微笑む。
私達は同い年でたまたま同年度に入職した事もあって、彼女がリハビリ科に異動して来た今年度からは、よく意見交換をしている。
仕事の出来る彼女の視点はとても参考になるし、先日までリハビリ科と密な関係である外科にいた事もあって、本当に的確なアドバイスをくれるのだ。
「結木さんって、本当に甘いよね。矢田さんに不満を感じてるのは、私だけじゃないよ?」
「うん、わかっているんだけどね」
私だって矢田さんの態度に不満や苛立ちを抱いているし、指導看護師である酒井さんは私以上に苛立っている。
リハビリ科のスタッフの大半がそうだというのも雰囲気で感じ取っていて、だからこそ頭を悩ませていた。
矢田さんに笑顔を向け、同僚を休憩室と繋がっている仮眠室へと促す。
「……あの子を庇う必要なんてないと思うんだけど」
「うん、そうかもしれない。でも、新人だからもう少しだけ様子を見たいの。それでも目に余るようなら、師長に相談してみるから」
声のトーンを落としつつ、眉を寄せて微笑む。
私達は同い年でたまたま同年度に入職した事もあって、彼女がリハビリ科に異動して来た今年度からは、よく意見交換をしている。
仕事の出来る彼女の視点はとても参考になるし、先日までリハビリ科と密な関係である外科にいた事もあって、本当に的確なアドバイスをくれるのだ。
「結木さんって、本当に甘いよね。矢田さんに不満を感じてるのは、私だけじゃないよ?」
「うん、わかっているんだけどね」
私だって矢田さんの態度に不満や苛立ちを抱いているし、指導看護師である酒井さんは私以上に苛立っている。
リハビリ科のスタッフの大半がそうだというのも雰囲気で感じ取っていて、だからこそ頭を悩ませていた。