ラストバージン
二杯目からはお湯割りにしたものの、お互いに三杯目の途中で飲めなくなってしまった。
夕方から飲み始めた私達の顔は、まだ十九時過ぎだというのに真っ赤だ。


「今夜は泊めてね」

「うん、ありがとう」

「何言ってるの? それは、泊まらせて貰う私のセリフだから」


恭子はそう言ったけれど、間違いなく私のセリフだ。
自分がどん底から程近い場所にいる今、孤独じゃなくて本当に良かったと思う。


恭子が来てくれる前のようにずっと一人ぼっちだったら、きっと私はどん底まで落ちてしまっていただろうから……。


「あぁ~、ダメ……。もう飲めない……」

「私も……」

「よく飲んだ方だよね。葵も私も、ビールとかサワーくらいしか飲まないのに」

「うん。明日は二日酔いかもね……」

「まぁいいじゃない、たまにはこういう日があっても」

「そうだね」

「あ、二日酔いの薬持ってないんだった。葵、持ってる?」

「あるよ」

「じゃあ、明日ちょうだい」

「うん」


途中で恭子がデリバリーしたピザやポテトは、残骸のようになってしまっている。
学生時代もこんな風に過ごしたな、なんて思いながら小さく微笑んだ。

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