ラストバージン
「彼に別れを告げられた直後に奥さんが職場に来て、その時に騒ぎになって前の病院にはいられなくなったの……」
そこまで告げて、言おうか言うまいか悩んでいた言葉を反芻する。
口にしたところで言い訳になってしまう事はわかっていたし、不倫という事実がある以上は倫理的に許されないのもわかっているけれど……。
「ただ……信じて貰えないだろうけど、相手が既婚者だって事は知らなかった……」
それでも、やっぱり少なからず保身のような気持ちがあったからこそ、せめてもの言い訳を紡いだ。
「でも、それってただの言い訳で、不倫をしていたのは事実だから……」
ただ、そこにどんな理由があったにしても、〝私が〟過去の自分を許す事が出来ない。
奥さんや子どもにとって、私は大切な旦那さんと父親の不倫相手でしかなかった。
結局のところ、それはどんな言い訳や理由を並べたって変わらなくて、二人の立場からしてみれば私は許し難い存在。
日高先生と奥さんがどうなったのかは知らないけれど、きっと私は今も奥さんに恨まれているだろう。
私だって逆の立場だったら相手を許せないと思うからこそ、浅はかにも思える過去の自分自身を微塵も許せずにいる。
そこまで告げて、言おうか言うまいか悩んでいた言葉を反芻する。
口にしたところで言い訳になってしまう事はわかっていたし、不倫という事実がある以上は倫理的に許されないのもわかっているけれど……。
「ただ……信じて貰えないだろうけど、相手が既婚者だって事は知らなかった……」
それでも、やっぱり少なからず保身のような気持ちがあったからこそ、せめてもの言い訳を紡いだ。
「でも、それってただの言い訳で、不倫をしていたのは事実だから……」
ただ、そこにどんな理由があったにしても、〝私が〟過去の自分を許す事が出来ない。
奥さんや子どもにとって、私は大切な旦那さんと父親の不倫相手でしかなかった。
結局のところ、それはどんな言い訳や理由を並べたって変わらなくて、二人の立場からしてみれば私は許し難い存在。
日高先生と奥さんがどうなったのかは知らないけれど、きっと私は今も奥さんに恨まれているだろう。
私だって逆の立場だったら相手を許せないと思うからこそ、浅はかにも思える過去の自分自身を微塵も許せずにいる。